弐番山鳳凰山の外題は、近松門左衛門でお馴染み恋飛脚大和往来梅川・忠兵衛 新口(にのくち)村の場です。公金横領の大罪を犯した忠兵衛(10歳)と梅川(11歳)は、路銀も使い果たして最後の別れを告げようと、忠兵衛の実父のいる大和新口村に来ます。
しかし至る所で役人たちが待ち受けて居ました。捕えられると死罪です。もう実家へ行く事を諦めて昔なじみの忠三郎を訪ねます。

しかし忠三郎は留守で最近結婚したばかりのおしげ(8歳)しかいません。

おしげは忠兵衛を知らないので忠兵衛と梅川の事件で村は大騒ぎと嘆きながら、兎に角忠三郎を呼んでくると出ていきます。

三百両の大金が梅川の身請けや茶屋のツケや祝儀なんかであらかた消え、表も歩けず旅籠へも泊まれず茶屋泊りと、苦労を掛けた事を侘びます。

梅川は忠兵衛に「一緒に死んでくれ」と言われた時から覚悟を決め、短い間でも夫婦でいられれば満足と手を取りあって此処まで来た事に悔いは無いと言い切ります。

二人で外を窺っていると萬蔵と才造が仕事への道中、不出来な処を案じてここで稽古をとやって来ます。

二人は慌てて家の中に隠れます。

「そだね~」と、今年の冬季オリンピックで流行り言葉になったのを、この場面で取り入れ観客を沸かせます(笑)

萬蔵(9歳)と才造(7歳)の息の合った名演技です。

上手く出来たと二人は喜びながら去って行きました。

後編へ続きます。