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吉例顔見世興行

 

年末吉例顔見世興行ですが、南座は只今耐震工事の為昨年に引きつづいて他の場所で開催されています。今年はロームシアター京都でした。しかも今回はまねき看板も南座ではなくて此処ですが、南側が玄関になるため歩道の街路樹の枝が陽に照らされて、掲げられてある歌舞伎役者絵に微妙な影を落としてしまいます。1時間ほど太陽の移動を待ちましたがやはり何処かに影が入ります。その為額入りの撮影は諦めて、出来るだけ影が映らない様に部分的撮影をして掲載しました。

まずは昼の部・第一は「寿曽我対面」からです。ご存知、曽我十郎・五郎の兄弟が父の仇工藤祐経(くどうすけつね)を討つ話ですが、八代目 中村芝翫 ・ 四代目中村橋之助・三代目中村福之助・四代目中村歌之助と親子揃っての襲名披露です。 曽我五郎は「むきみ」とよばれる隈取をとった荒事、対照的に兄の十郎は柔らかい身のこなしやせりふ回しの和事。夫々を橋之助と七之助が演じます。 
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因みに 曽我五郎「むきみ」 を演じる芸妓「市桃」さんです。
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曽我五郎の「むきみ」 の続きは此方をご覧下さい!(笑)




 

第二は「義経千本桜」渡海屋・大物浦の段からです。船問屋渡海屋の主人銀平に身を変えていた平氏の武将知盛 ( 芝翫 ) が、北条の探索から逃れようと船を借りて出港する義経 ( 秀太郎 ) 一行へ、白糸縅の鎧に身を固めた亡霊姿で襲いかかりますが、再び敗れて父・清盛の悪行の報いと嘆きながら大碇を背負い海に沈んでいきます。
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第三は二人椀久です。 椀屋久兵衛( 仁左衛門 ) は傾城 松山太夫( 孝太郎 ) との逢瀬が過ぎて、座敷牢に閉じ込められてしまいます。松山太夫に会いたくてやっとの思いで座敷牢を出て松山太夫に会い・・・しかし、全ては夢の中の出来事でした。 此方は親子共演でした。
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夜の部第一は 「 良弁杉由来 」 二月堂です。若き大僧正良弁 ( 鴈治郎 ) は子供の頃、鷲にさらわれて二月堂の杉の木にひっかかっていたのを、先代の大僧正に助けられました。やがて大僧正となった今、我が親に会えます様にと春日大社の参詣の帰りに拾われた杉の木に立ち寄り毎日お祈りしています。そんなある日、鷲にさらわれた子供を探していると書かれた手紙がありました。手紙の主を探し出すと老婆・渚の方 ( 藤十郎 ) でした。その老婆の話で良弁が肌身離さず持っている小さい仏像が入ったお守り袋は、母の手作りであると解ります。
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第二は 「 俄獅子 」 です。 多くの遊客で賑わう江戸の吉原で、鳶頭 ( 橋之助・福之助・歌之助 ) ・芸者 ( 時蔵・梅花・孝太郎 ) がにぎやかに踊る、吉原の年中行事の 俄 を描いた一幕です。
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第三は 「 人情噺文七元結 」 です。 三遊亭円朝が口演した落語が原作となっています。山田洋二監督、故中村勘三郎が演じたシネマ歌舞伎でもお馴染みですね。左官の長兵衛 ( 芝翫 ) は腕も立つし人柄も好いのですが、大の博打好きです。又今日も負けて裸同然で帰って来ます。その事が原因で女房お兼 ( 扇雀 ) との夫婦喧嘩が絶えません。 見かねた娘のお久 ( 壱太郎 ) は、吉原に身を売る決意をして親の借金を返そうとします。事情を察した妓楼の女房・お駒 ( 魁春 ) は、長兵衛を諭し、50両の金を貸し与えるのですが、帰り道大川で身投げをしようとしていた若い男・文七 ( 七之助 ) を助けるために50両をあげてしまいます。さてこのあとは・・・鳶頭伊兵衛を仁左衛門が演じています。
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第四は 「 大江山酒呑童子 」 です。勘九郎の父18世勘三郎は2度、祖父の17世勘三郎が初演以来、長く当たり役としていました。源頼光の大江山の鬼退治伝説を元に、童子姿の鬼に酒を飲まし油断させて退治するというお話です。酒呑童子を勘九郎、源頼光を七之助、平井保昌を橋之助、わらびを福之助、なでしこを歌之助が演じています。
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顔見世が終わりますと京都はお正月の準備に忙しくなります。「 おことうさんどす 」 年末のご挨拶帰りに 福玉を手にする舞妓の姿も・・・除夜の鐘を聴いてから福玉を開けて、中の縁起物に喜ぶ姿はもう間もなくです。

 


by ei5184 | 2017-12-28 04:55 | 京都2017 | Comments(16)
Commented by at 2017-12-28 05:09 x
おはようございます!
年末の定例行事ですね。 大晦日まで あと僅か 
屋形でお正月を迎える 舞妓さんが 種火が消えない様に 藁を回しながら家路を急ぐ(オケラ回し??でしたか)風情に出会ったのは 5年も前でしょうか。
稲穂の簪 黒紋付  ・・・・ また見てみたいですね。
「京都に行けば良い」 その通り です。
Commented by manekinntetti at 2017-12-28 07:14
おはようございます♪
まねき看板は、eiさんが撮影したものなんですね。
写真撮影とは思えぬほど綺麗です。
見入り、読みふけってしまいました(^^; 遅刻しそうです(笑)

おまけに・・・過去ログまで開いてしまったわぁ。
また出直して来ます~^^
Commented by umi_bari at 2017-12-28 08:10
eiさん、吉例顔見世興行、今年は南座ではないんですよね。
撮影は出来ませんが、絵での紹介を有り難うございます。
バグースです。
年末年始も、京都は行事がいっぱいなんでしょうね。
紹介を楽しみに待っています。
Commented by o-rudohime at 2017-12-28 08:22
歌舞伎にはうとい者ですがeiさんの説明で まるで絵本を読んでいる様でした。
節分の市桃さんまるで歌舞伎役者の様ですね。
かつてはお正月に正装した芸舞妓さんも見せて頂きましたしほんの少し京都を楽しめました。
Commented by hanarenge at 2017-12-28 13:52
歌舞伎が好きです  
以前住んでいたところのご近所に老舗の和菓子屋さんがあって そこの奥さまにお友達扱いしていただいていました
くっついて顔見せにも行ったのです と言っても奥様は母と同じ年齢の方なのですが^^
勘三郎が亡くなって ちょっと足が遠のいてしまいました
南座での顔見せの復活が待たれますね
Commented by fleunn at 2017-12-28 22:43
歌舞伎の世界ようわからん私には 日本昔話の心地( *´艸)eiさん 読み聞かせ上手どす(*^^*)
絵のお写真 綺麗に撮れてますね 流石です!( ̄- ̄)ゞ
Commented by ei5184 at 2017-12-29 13:47
凧さん、おけらまいり・・・私は未だ出会った事がありません。
そのはずで、数年前に行って以来大晦日は奈良ですから(笑)
今年は雨予報! となると風邪をひかぬ様に出かけるのは止そうかとも・・・

黒紋付と稲穂の簪は、新年に予約済です(笑)
Commented by ei5184 at 2017-12-29 13:50
テッチさん、ここ数年の恒例としています。但し舞台撮影は不可ですので、
玄関に掲げるまねきや役者絵を撮り、簡単なストーリーでお茶を濁しています(笑)
今年は撮影条件が悪すぎてこの様にしました。
来年はどうやら元の南座で観る事が出来そうです。
Commented by ei5184 at 2017-12-29 13:54
umi_bariさん、昨年は先斗町歌舞練場、今年は ロームシアター京都でした。
来年はどうやら元の南座で観る事が出来そうです。
近年は年末は奈良なんです。新年は5日に京都です。
それまでは家でゆっくりしています(笑)
Commented by ei5184 at 2017-12-29 13:58
himeさん、節分お化けで時々歌舞伎の演目を披露してくれますので、
こんな時は少しだけでも雰囲気を味わって頂けるかと、再登場して頂きました。
未掲載写真がお蔵入りにならずに良かった(笑)
来年も黒紋付と稲穂の簪の舞妓が登場予定です。正月早々からげらですが(笑)
Commented by ei5184 at 2017-12-29 14:02
れんげそうさん、ご近所さんに連れられて歌舞伎鑑賞が出来て良かったですね!
勘三郎さんの二人の跡取りは、今回も頑張っていましたよ!
勘九郎さんなんか時としてお父さんを彷彿させる時も。
南座はどうやら来年は見る事が出来そうです。
Commented by ei5184 at 2017-12-29 14:08
fleunnさん、そう、日本の昔話には違いない(笑)
観ると笑いあり涙ありと結構楽しく鑑賞できるのですが、
こんな大きな劇場よりも、農村歌舞伎座のこじんまりした舞台の方が
より一層臨場感を楽しめます。是非一度機会を作って観て下さい。
はまっても、責任はとりませんが(笑)
Commented by zakkkan at 2017-12-29 14:15
顔見世興行は、一度も観戦なし(笑)
というよりも、どうも??歌舞伎には縁がない方です

美山、いかれましたか
ほ~・・こんなに積雪が
確か、明けて1月後半「雪灯篭」なる行事があると思います
あれも、また見応えが・・

eiさん
今年は、本当に様々な行事、様々な角度からの画像、みせていただき
感激の1年でした・・
そして、勿論、足元にも及ばない私ですが
レンズ越しの気合を、忘れかけていた感動に、ふと目覚めさせていただき
感謝申し上げます
来年も、宜しくお付き合いくださいますよう・・
そして、良いお年を・・お迎えください
Commented by ei5184 at 2017-12-29 17:37
zakkkanさん、1年が速く過ぎて行きますね~
美山は2月の雪灯りでしたが、今年は年末寒波で再び雪景色が見られました。
来年の雪灯りも又積雪状況をみて出かけたいと願っています。

お友達も今年は随分回復されて良かったですね!
来年は益々リハビリが進んでお二人揃って3年振りに南座で興行される
顔見世をご鑑賞下さい。きっとはまりますよ~(笑)

此方こそ引き続いて宜しくお願いします。 どうぞ良いお年を!
Commented by gekko_skul at 2017-12-30 01:46
今年一年お付き合いいただきましてありがとうございました。
どうぞよいお年をお迎えください。
Commented by ei5184 at 2017-12-30 08:31
マルさん、こちらこそ私の手の届かない処や、花々などを
とても楽しく拝見させていただきました。
引き続いて来年も宜しくお願いします。
どうぞ良いお年を!
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